介護付有料老人ホームと住宅型有料老人ホーム
有料老人ホームは、介護付と住宅型の大きく2つに分けられます。
平成20年以前は、有料老人ホームと言えば「介護付」でしたが、
ここ数年は「住宅型」が急増しており、
施設数では全体の70%が
住宅型となっています。
「介護付」と「住宅型」の違いは次の通りです。
介護付有料老人ホーム | 住宅型有料老人ホーム | |
---|---|---|
根拠法令 | 老人福祉法 介護保険法 | 老人福祉法 |
指定名称 | 特定施設入居者生活介護 | ― |
基準サービス | 老人福祉法の定めるサービス 介護保険法の定めるサービス (介護保険サービスの提供) |
老人福祉法の定めるサービス (衣食住、介護等の供与) |
介護サービスの実施主体 | 当該有料老人ホーム (施設が介護保険指定事業者) | 外部介護保険事業者 (主に訪問介護) |
介護サービス従事者 | 施設が使用する従業員 | 別途契約する介護保険事業者の従業員 |
介護サービス体制 | 365日24時間必要に応じて 随時対応 | 計画に基づいた頻度、内容 |
施設人員体制 | (法令による配置基準指定) 24時間常時1名以上配置 看護師の配置 施設長、生活相談員の配置 機能訓練員の配置 |
(法令による配置基準無し) 事業者の裁量による (手厚い配置から最低限の 配置までさまざま) |
介護保険形態 | [日額包括算定方式] 日数×日額固定単価 費用負担はほぼ一定 |
[区分支給限度額方式] サービスごとに積算 費用負担は実績による |
メリット・デメリット
住宅型のメリットは、サービスおよび生活面での選択の自由です。
介護サービスを受ける際の訪問介護事業者の選定、生活に合わせた
ケアプランの設定等が挙げられます。
介護保険をうまく使えば、
複数の介護保険適用サービスを利用することも出来ます。
デメリットとしては、施設には介護保険法が及ばないため、ホーム
ごとに違う人員配置を確認する必要が生じる点が挙げられます。
介護サービスの提供主体となる訪問介護では対応出来ない都度の
介助(トイレ、見守り、移乗等)への対応、認知症受入れ、終末期
ケアに対応出来る体制か否かを確認する必要があります。
費用面を比較すると、介護度が低い方では介護付より低額ですが、
高くなると負担が大きくなる点があります。
介護付のメリットは、人員基準と包括的な契約形態にあります。
介護付有料老人ホームは施設自体が介護保険の指定を受けており、
人員体制は法令により明示されています。
介護サービスは包括的で、必要なサービスが適宜提供されます。
看護師やリハビリ指導員による支援は介護保険サービスに包括
され、施設サービスとして一体的に提供されます。
デメリットとしては、生活面が施設全体のスケジュールに合わせ
がちになること、
他の介護保険サービスを併用することが出来なく
なる点があります。