1.人員基準とは
介護付有料老人ホームの人員基準は法令により定められています。
[介護保険法 第175条/176条]
必要職種一覧(人数は利用者数100人以下の場合) | |
---|---|
管理者 | 常勤 |
生活相談員 | 常勤換算1.0人以上で1名は常勤 |
計画作成担当者 | 介護支援専門員(ケアマネジャー)で1人以上 |
介護職員 | 1人以上でうち1名は常勤 |
看護師 | 1人以上でうち1名は常勤 |
機能訓練指導員 | 1人以上 |
2.介護に関わる職員体制
人員配置を示す表記として、一般には3:1や2.5:1といった数値
が用いられます。
この数値は次のように導き出されます。
介護に関わる職員の人員計算方法 | |
---|---|
対象職種 | 介護職員と看護師(直接処遇職員) |
常勤職員 | 当該事業所の所定労働時間数を勤務する者を1.0人とする
ここでは週40時間を所定労働時間とする |
非常勤職員 | 所定労働時間が常勤に満たない職員は比率按分 |
非常勤職員の 計算方法 | 例)週あたり24時間勤務の場合 24時間÷40時間=0.6人 ⇒この考え方を「常勤換算」といいます。 |
利用者様の計算方法 | |
---|---|
要介護認定の方 | 1.0人 |
要支援認定の方 | 0.3人 (ただし看護師の配置基準等の場合には1.0人) |
介護認定無しの方 | 0人 (介護保険を利用していないため対象外) |
介護に関わる人員体制の計算例 | ||
---|---|---|
介護・看護師の計算 | 利用者様の計算 | |
実人数 | 介護常勤=8名 介護非常勤=5名 (週あたり24時間就労) 看護師常勤=2.0名 |
要介護認定の方=26名 要支援認定の方=5名 自立=2名 |
換算人数 | 介護常勤=8.0人 介護非常勤=3.0人 ※24時間÷40時間=0.6 ⇒0.6×5名 看護師=2.0人 ⇒常勤換算=13.0人 |
要介護認定の方=26.0人 要支援認定の方=1.5人 自立の方=0人 ⇒利用者の数=27.5人 |
人員配置状況は、(利用者の数)2.2:1(直接処遇職員)となります。
なお、必要な人員数を計算する場合には、小数点以下は切り上げます。 (利用者27.5人に対して3対1の場合、9.16人の職員が必要となりますが、 この場合、小数点以下を切り上げて常勤換算10人が必要となります。) 上記の例は常勤換算13.0人の職員があり、法令に適合しています。 |
3.実際の勤務配置はどうなるか
例えば、30名の要介護者がいる施設で2.5対1の基準であれば、
直接処遇職員数は常勤換算で12.0人となります。
しかしこの数字は、12人の職員が現にその場でサービス提供を
行っているいう意味にはなりません。
法令がいう「常勤1人」とは”正社員1人分の労働者”としてであり、
常にいる人数ではないことに注意が必要です。
この例の場合の施設の実際の勤務構成は下記表の通りです。
計算上の人員基準と実際の配置はイメージがかなり異なります。
勤務体制の例(利用者の数=30名/職員配置=2.5:1) | |
---|---|
常勤職員の勤務時間 | 週あたり=40時間 年間=2080時間(40時間×52週) 月あたり≒173時間 日数換算=月あたり22日 |
12.0人の計算 | 月あたり延べ人数=264人(22日×12人)
1日あたり≒8.7人(264人÷30.4日) |
勤務配分 | 夜間従事=4名(夜勤2名体制の場合) ※夜勤は16時間勤務(勤務2日分)で計算 日中の配置≒4.7人(8.7人−夜勤者4人) ⇒この施設の日中の介護・看護従事者数は約5人 |